「5分足で下降トレンドだな。順張りで売りだ!あれぇ?逆行してしまった。。。」
こんな経験誰でも一度はありますよね。
エントリー後の逆行防ぐには材料集めが必要であり、単一時間足(例えば5分足)の分析だけでは十分な情報を得ることが出来ません。
そこで必要なのがマルチタイムフレーム(MTF)分析。
「MTF分析の重要性はわかっているけど、いまいちピンとこないし、やり方がわからない!」という方もいると思いますので、今回はMTF分析をする上で気を付ける簡単なポイントについて説明したいと思います。
【MTF分析具体例1】上位足で意味のある数値付近では気を付ける
当然ながらフィボナッチリトレースメントの38.2や61.8、フィボナッチエクスパンション161.8付近で反応する可能性は高いです。
もちろん5分足だけでも上に挙げたような代表的な数値は効くのですが、上位足の意味のある数値付近に近づいた場合は注意が必要です。
下は5分足。明らかに下降の勢いが強く売りを狙うのが定石。もちろん下降途中ではエントリーせず戻しを待ちます。
戻しが確認できて何度も上昇が止められているように見えるからと言って売りエントリーすると痛い目にあいます。
4時間足を見てみましょう。
上昇FR38.2で下降が止められています。しかも長い下ヒゲをつけて止められていることからも下降の壁は堅いようです。
5分足だけでは手前の急下降を意識してしまい売り目線を払拭できませんが、4時間足をみれば意味のある数値付近であること、下降の止められ方からも売りを狙うのは危険なのではないかと考えることが出来ます。
「上昇したと言ってもまた下降するだろう」と保有し続けるとそのままトレンド転換となり大損失を抱える事もあり得ます。
結果的にトレンド転換では無かったとしても4時間/1時間足レベルでの大きな戻しに対して絶対に再度下降するという保証がない状況でずっと保有できますか?
FXトレーダーは時給を気にした方が良いです。学習者のうちは安易な建値決済や損切りはしない方が良いですが、「エントリーに失敗したから戻るまで待とう」ではいつか痛い目を見ます。
こういう意味のある数値付近ではトレンドに乗ろうと思考停止するのではなく、反発するか下抜けするかを見極める必要があります。
代表的な気をつけるケースは以下の通り。
①4時間/1時間足FR38.2もしくは61.8
②1時間足200MA
③過去に何度も反応している水平線
上記③は気がつくのに慣れが必要かも知れませんが①〜②は少し気をつけるだけです。
私はトレンドに逆らう逆張りであっても証拠が見つかれば積極的にトレードして良いと思いますが、もし怖いと思うであれば慣れるまでは上記の意味のある数値付近ではトレードしない、というのもありです。
【MTF分析具体例2】大局的な環境認識をすることで向かう方向性を掴む
5分足だけを見てエントリーしやすそうなポイントは結構な頻度で現れます。しかしエントリーしやすい5分足の形を覚えるだけで勝てるほどFXは甘くないです。
例えば以下5分足を見てみると、何度も上昇が止められており手前の下降も直線的であり、もう上昇しなそうな値動きに見えます。
しかし3回上昇が止められてストンと下降した戻しから売ったとすると、少し下げてからグイグイ上昇していってしまい、微益か建値決済もしくは最悪の場合大損失になります。
1時間足を見てみましょう。
そもそも全体として上昇の勢いが強く、直近高値から下降してきているもののFR38.2付近までの浅い下降となっています。
何度も上昇は止められていますが下降幅は全体の上昇と比べたら小さいもの。
しかも上昇した先から下降エリオット波動を描いていることからも5波終了で下げないことを確認して買うという判断が出来ると思います。
【まとめ:基礎的なMTF分析から始めよう】
5分足だけを見て良いと思うエントリーポイントであっても、1時間足ではトレンドが止められる壁が近くにあり、急に反発するリスクが潜んでいるかもしれません。
5分足でエントリー出来る形を覚えることも大切ですが、「木(5分足)を見て森(1時間足)を見ず」になるとトレードの勝率を上げることは出来ません。
MTF分析は奥が深いですし、一見難しそうなことをしているように見えますが基本を押さえるだけで損失を大きく防ぐことが出来ます。
先ずは今回説明したMTF分析の基礎を実践することで、エントリー後逆行パターンが減ることを実感してみてください。